224人が本棚に入れています
本棚に追加
それで
僕はどうしたかというと――。
「征司お兄様、起きて下さい」
「ンン……」
陽が高く昇る頃
地下室に戻り。
「そろそろ屋敷へ戻られたらいかがです?」
無防備に肌を晒して眠り続ける王様を揺り起こした。
「屋敷へ帰れだと?」
けだるく身を起こすベッドの足元には
今日もワインの空き瓶があちこちに転がっている。
「何時だ?」
「さあ、時計がないから。でも直に夕方になる時間です」
ボトルを片づけながら
僕はできるだけ自然な笑顔を浮かべた。
最初のコメントを投稿しよう!