episode175 酔狂サーカス②

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「ずっとこんなところにいらして。やることはたくさんおありでしょう?」 どうしても 衝突は避けたかった。 「それにそろそろ新しいシャツをお持ちになって」 壁にかかったままの 湿気ったシャツを摘まんで僕は笑う。 「ついでに僕のも――」 怪しまれてはいけない。 思うほど態度は固くなる。 「和樹」 征司が枕に突っ伏したまま僕の名前を呼んだ。 「はい?」 目を合わせる 寝起きの表情はいつになく穏やかで 「久しぶりに夢を見た」 どこか切ない――。
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