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「ずっとこんなところにいらして。やることはたくさんおありでしょう?」
どうしても
衝突は避けたかった。
「それにそろそろ新しいシャツをお持ちになって」
壁にかかったままの
湿気ったシャツを摘まんで僕は笑う。
「ついでに僕のも――」
怪しまれてはいけない。
思うほど態度は固くなる。
「和樹」
征司が枕に突っ伏したまま僕の名前を呼んだ。
「はい?」
目を合わせる
寝起きの表情はいつになく穏やかで
「久しぶりに夢を見た」
どこか切ない――。
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