224人が本棚に入れています
本棚に追加
あれからどれくらい――。
幾週か幾月か。
僕は同じ地下牢に閉じ込められたままだった。
征司は3日に1度ほどやってきては
同じことを繰り返した。
僕の目の前であの人の手紙を燃やし
僕自身によって穢させ。
精神的にも肉体的にも
完全に支配を強めていった。
「押し花か――ロマンティックだな」
たまに検閲しながら
読んでもいない手紙の返事を書かせた。
九条さんが不審に思わないように――。
最初のコメントを投稿しよう!