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その姿を
一目見た瞬間。
「あなたが……」
僕の瞳から涙が零れた。
「あなたが……神の住処を焼いたの?」
美しいミルク色の肌に
波打つ栗毛の美しい人。
それでも
炎に照らされた眼差しに
普段の穏やかさは微塵もない。
「君のためにできないことは何もない」
正義の鎧をまとった力強い腕が
抱えるように僕を抱きとった。
「九条さんっ……!」
「さあ、行こう」
彼の腕から注ぎ込まれる愛が
僕にとっては神の愛そのものだった。
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