episode175 酔狂サーカス②

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その姿を 一目見た瞬間。 「あなたが……」 僕の瞳から涙が零れた。 「あなたが……神の住処を焼いたの?」 美しいミルク色の肌に 波打つ栗毛の美しい人。 それでも 炎に照らされた眼差しに 普段の穏やかさは微塵もない。 「君のためにできないことは何もない」 正義の鎧をまとった力強い腕が 抱えるように僕を抱きとった。 「九条さんっ……!」 「さあ、行こう」 彼の腕から注ぎ込まれる愛が 僕にとっては神の愛そのものだった。
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