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「どうして彼を追う?どうして?」
それでも
今回ばかりは――。
「何をされても離れられないって言うのか!」
愛ゆえに九条敬は
僕から自由を奪った。
「うわぁぁっ……!!」
獣のように吠えたてる僕を
力尽くで抑え込み
「……僕がいるだろ!」
自分の腕に閉じ込めた。
分かってるんだ。
あなたが正しいって――。
「和樹、僕を見ろ」
僕はあなたを誰より愛していて
この思いさえ断ち切れば
真に自由になれることも――。
そんなことは
ちゃんと分ってるんだ。
でも――。
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