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「お義兄様、たいそうお喜びになるぞ――僕の心と共にね」
引き裂かれたまま
激しく支配されることで
彼への思いは日々薄れてゆくかと思っていた。
しかし実際は――。
「本当のことを知ったら今度こそあの人――」
人は
触れられないものこそ欲しいのだ。
「あの人、あなたを殺すでしょうね」
肉欲と拭い去れない依存心。
歪んだ感情にがんじがらめのまま
僕の心はまだ――。
「潔癖だからな。お義兄様は」
「ええ、それはもう」
純粋な愛の化身を求めてやまなかった。
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