episode175 酔狂サーカス②

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初めに僕が目にしたのは 選び抜かれた皮靴の底だった。 「征司……?」 そして 洒落たイタリアンスーツの 凛としたその背中――。 「嘘だろ……」 ポケットに手を突っこんだまま まるでふらり ショップのウインドウでも覗くかのように。 「征司お兄様ぁっ……!!」 征司は一歩また一歩と 燃え尽きる寸前の 夢の城へと吸い込まれて行った。 そのあとどうなったかって? 煙を吸いすぎたのさ。 「和樹っ――!」 僕はそのまま気を失って 幸か不幸か それからあとのことはまだ何も知らない――。 おまえの首に口づけしたよ7 【完】
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