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「でも?」
「ここはあなたの偽りの夢の城。そう長くはもちません」
正直に言って頭を振る
僕の首根っこを抑え込み
「ここが俺の夢の城だって?こんなネズミの巣みたいな穴倉が!」
征司は大仰に笑って見せた。
「聞いてやる。話せよ、おまえの持論を――」
言いながらも着々と
僕の衣服をかき乱し
早くひとつになろうと躍起になる。
「人の思念は強ければ強いほど現実化する。だからどのような形であれ、これはあなたが思い描いていた夢のはずです」
誰にも邪魔されず
世界一淫靡な場所で僕を貪る。
肉体のみならず
魂までも――。
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