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「……げはさん、あげはさん!」
「──ら、い……?」
「なんでソファーで寝てるの、風邪ひくよ?」
……あれ?あたし、いつの間に……?
「なんで暖房もついてないかな」
呆れてる声がすぐ近くで聞こえる。
「いつもは寝起きいいのに今日は起きないんだね」
「……ん」
ふわっと抱き上げられたような感覚がして。
目を開ければ、楽しそうな雷の笑顔が目に入る。
「布団連れてくよ」
「ヤ…待って、起きた、起きたから」
なんであたしは姫抱きされてるの?
「珍しかったのに、もう起きたんだ」
「え、待って、なんでいるの?」
てか、今何時?
いっきに覚醒はしたけど、寝起きで頭が回らない。
「帰り今日になるって言わなかった?」
「言ってたけど、今夜中?」
「ニ時前だよ」
丑三つ時じゃないか。
その前に、起きたのに下ろしてくれないの?
「早く終わったから帰って来たんだよ、会いたかったし」
「数時間前だよね?会いに来たの」
何?ヒト変わってない?
そういえば、なんか言ってたっけ…
甘くするとかなんとか?
ん?コレがそうなの?
「あげはさん、一緒に寝ようね」
「はぁ?」
「あ、俺のベッドで寝る?でもあげはさん、布団派なんだっけ?」
楽しそうに言いながら部屋に連れて行かれる。
待て待て、ホント待って。
とにかく、ちょっと落ち着かせてよ。
「ちょっ、雷…」
「あげはさん、スキだよ」
ヤ、今ソレいらない。
しかも額にキスまでされる。
姫抱きされたままだから逃げ場がない!
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