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「あぁ、でもあげはさんに確認取らないと」
今は仕事中か…まぁ、電話してみよう。
「一緒に住んでるということは結婚するのか?」
「イヤ、するつもりないけど?あ、コレ、母さんには言わないで」
コール音を聞きながら答えて、言ってしまったと思った。
母さんの耳に今言ったことが入りでもしたら、何がなんでも上京してきて文句を言われる。
なんで結婚しないんだ、とか。
それだけはぜったいに回避したい。
『はぁい?』
「仕事中にごめん」
『今休憩もらったとこだから大丈夫』
それこそ休憩中にごめん、だよ。
急な電話だし。
母さんより先に文句を言われる覚悟をしとかないと。
『電話かけてくるなんて、何か急ぎの用事?』
でも口調はなんだか穏やかで。
普段となんら変わりない。
覚悟を決めてたのに、しなくてよかったみたいデス…
「あぁっと、そうだった。あのさ、この間の買い物デート…週刊誌に写真撮られてたみたいで、明日発売なんだよね?」
『ふ~ん?』
うわ、このヒト、完全に他人事だ。
そりゃ、あげはさんの顔にはモザイクかかってるけど、コレ見るヒトが見ればわかるんだからね?
『あたしのこと調べ上げて根掘り葉掘り聞いてくることはないでしょ』
「ソレは、ない、とは言い切れないけど?」
『え~?そうなの?』
電話先でもわかる。
ぜったい早くもめんどくさくなってるよ、このヒト。
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