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趣味、アニメを見ること、と書かれていたことを思い出す。
アニオタ……って、ちょっと引いた。
ソレを彼女曰く見下した顔で言えば、叫ばれて間近で平手を受ける。
いつもならこんな攻撃避けることは容易いのに、至近距離とまさかココでするとは思わなくて油断していた。
地味に左頬が痛い。
叩かれたところを押さえ凝視していると、
「アニオタと呼ばれる言われはない!」
イヤ、アニオタなんでしょ?
三十にもなってアニメ好きとか、そうとしか考えられないけど?
なんだかいろいろ叫んでいるが、結局マンガ好きと言いたかったらしい。
こっちからしてみればどっちも一緒にしか思えないんだけど。
でも、本人にしてみたら違うんだろう。
まぁ、趣味はヒトそれぞれだし?
別にいいか、なんて思ってると彼女が遠慮がちなのかわかんないけど、服を小さく掴んでくる。
アレ?さっきより顔色悪くなってない?
イヤ、でもその前に本題。
「僕と賭けしましょうよ」
「………は?」
ここでサヨナラするには、ちょっと惜しいヒト。
お見合いがウマくいくかいかないかはどうでもいいとして、まだ繋ぎ止めておきたい。
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