living.11

3/10
前へ
/165ページ
次へ
「あげはちゃん、相変わらずだね」 「みっともないくらいに泣けばいい。言いふらしてあげるから」 「月海さん、言いふらすのだけはやめてください」 泣くことはするんだ… 最近、家にいる時の雷は甘いことばかり言ってきてるから、外仕様の雷を見るのは久しぶりでなんだかちょっぴり違和感。 ニコニコと浮かべてる笑顔は、最初の頃にあたしに向けていたもので。 こうして誰かと一緒にいるところを見て思う。 今、家で見せているのはホントの雷、なんだって。 でも、きっと今が楽しいのは、期限付きだから。 あと四ヶ月後くらいには、バイバイ…するヒト。 あたしとしては、今の状態のままでいい。 現状維持ってヤツ? 雷は違うかもしれないけれど。 「僕、あげはさんのこと…」 …ん?なんの話? 「ヒトとしてどうかと思います」 「はぁ?」 確かにボーッとしてて三人の話なんかこれっぽっちも聞いてなかったけどさ。 いきなりヒトを否定するって何? 失礼すぎるにも程がある。 「ちょっと雷、どういうこと?」 「そのまんまの意味じゃないの?」 隣に座る雷を睨んでいれば、コーヒーを飲みながらの月海の言葉。 「月海まで!フォローしろとは言わないけど、親友としてちょっとくらい否定してくれてもよくない?」
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1067人が本棚に入れています
本棚に追加