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質問したのあたしだけど、なんか聞かないで的なオーラ?って言うの?出てるから。
「相談にはきっと乗れないけど、話くらいは聞けると思う」
ヒトにアドバイスできるほど、そんなにつきあったことないし。
前に雷に場数踏んでるって言ったこと、アレ、ウソだしね。
「乗らないし思うんだ」
「あんた、知ってるでしょ、あたしの恋愛事情」
「まぁ、知ってるけど」
ちっちゃい頃から一緒だったんだから、ソレを知らないわけがない。
納得したらしい月海は小さくため息をつく。
「……どうしようもできなくなったら話に行くから」
「いつでもどうぞ」
「っていうかさ、前に写真撮られてたのにいいわけ?」
自分の話はこれ以上はカンベンとばかりに百八十度話題を変える。
まぁ、いいけど。
あの週刊誌が出た時はすごかった。
またたく間に全国に駆け巡った『五十嵐雷、新恋人発覚!』とかっていうニュース。
もちろんあたしのことは何も言われなかったけれど。
イヤ、言われても困る。
あたし、雷の恋人じゃないし。
「いいわけないと思うんだけどね」
写真を撮られたスーパーは一時取材陣が見え隠れしてた。
あと、たぶん雷のファンらしい方々がたくさん。
あの日以降、雷はスーパーに行くことはなかったから、ファンの方々の足は遠のいたけど。
まぁ、やっぱりそこが一番近いから堂々と買い物に行ってたけど、取材に来てたヒト達に気づかれることもなく。
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