living.11

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「今日撮られたら、なんて書かれるのかしらね」 明らかに楽しんでいる月海は、ニヤニヤとあたしと雷を交互に見て。 そんな雷は未だ七夕と恋愛話中。 「でも、本人は撮られても平気みたいよ?」 なんでこんな平気でいられるのかはわからない。 結局、あのニュースは収束したけど、それでもどこかで誰かが狙ってる気がする。 物陰に潜んでいるような気配。 「誰が恋人か、的な?」 「クイズみたいね」 「…まぁ、大丈夫だと思うけど、気をつけなさいよ?」 投げやりなあたしに、苦笑いを浮かべ小さく心配してくれる。 一応、気をつけるわよ? 周りが騒がしくなるのはイヤだから。 「ご心配どうも」 「あげはさん、わかりました!」 「何が」 嬉々としてこっちを向くけど、何がわかったのだろうか? 「今日は親子丼です!」 「七夕となんの話をしてたのさ」 いきなり食べ物なんて言われてこっちはキョトンとするしかない。 「え?あぁ、夕飯の話を」 「イヤ、ソレはわかってる」 恋愛相談してたんじゃないのか。 たぶん、初めはそうだったんだろうけど、きっと脱線しまくったんだろう。 相手、七夕だし。 「なに?今日のお夕飯ソレなの?」 「え?美味しいじゃないですか、親子丼」 「誰も美味しくないなんて言ってない」 って言うか、なんでソレ?
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