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「何かしたの?」
「何作ってたか知んないけど、コンロとレンジ壊した」
どうすればコンロが壊れるかは謎。
レンジは案の定、生タマゴをチンしてた。
「七夕以上のヤツがここにいたなんて」
「感心しないでよ。もうすっごい大変だったんだから」
「あげはちゃんに何か作ってあげたかったんだよね」
似た者同士、気持ちでもわかるのだろうか。
だとしても、自分の力量っての?
わかってやってほしい。
「そうなんです、日頃の感謝を形にしようと思ったんですよ」
「気持ちだけでいいから」
あのあと、あたし一人でどれだけ大変だったか…
キッチンを破壊しかけた張本人は仕事に行くし。
たぶん十分ほど途方に暮れてたよ。
「あー、あの時ね。アレは悲惨だったわ」
とりあえず途方に暮れてても意味ないから月海を呼んだんだけど。
そういえば、あたしのせいじゃないのに、管理人さんにも怒られたなぁ。
遠い目をしてるあたしの前で三人は何やらワイワイ言ってるけど、もうなんかめんどくさい。
…そろそろ帰ろうかな?
なんて考えてると、こっちを見た雷がフッと優しく笑って。
「あげはさん、そろそろ買い物に行きますか?」
何かを察してなのかそんなことを言ってくる。
だって、今日買い物に行くなんて一言もあたし言ってないもの。
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