living.12

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俺の目の前にいるこの天然悪魔を、ホンキで誰かどうにかしてほしい。 本人にその気はなくても、こっちの身が持たないっていうか… 無自覚にもホドがある。 「──っあぁ!」 「あげはさん……」 小さく名前を呼べば潤んだ目で見上げてくる仕草。 こういうことを度々、無意識にやってくる。 俺、何か試されてるのか? 毎回、葛藤するのはこっちなのに。 「なんで、何もないところでつまずけるかな…」 鼻を打ったんだろう、目に涙を浮かべ擦りながらその場に座り込む。 年末…というか今日はクリスマスイブ。 今年最後の休みを利用させられて、ニ人で大掃除なるものをしているところ。 まだたった四ヶ月ほどしか住んでいなくても、生活をしていれば汚れてくるもので。 という理由で朝から叩き起こされ、頭にタオル巻いて掃除中。 イブだし、めったにない休みだし? せっかくニ人でゆっくりと過ごそうかと思っていたのに。 「…あって…」 『だって』と言いたかったらしいあげはさんは、意外にも掃除は不器用だった。 風呂掃除とか部屋の模様替えとかしてるのに、掃除というソレは苦手らしい。 「今までよく大きなケガとかなかったね?」 嫌味っぽく言えば、涙目のまま睨んでくる。 ……やっぱり俺、試されてるんだ! ある意味破壊力のあるソレから逃げるように視線を逸らし、手を引っ張り立たせると小さくお礼の言葉が聞こえる。
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