living.12

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「七夕」 「あげはちゃん、雷くんも来てくれたんだ」 すぐに着いたソコには七夕さんが立っていて。 ガラス張りの向こうに何人かの赤ちゃんが見える。 ナマで新生児室を見たのは初めてだ。 てか、全部が全部、初めてなんだけど。 「おめでとう、七夕」 「おめでとうございます」 「ありがとー」 「急だったし掃除してたから何も用意できなかったよ。今度お祝い持って来るね」 あ、やっぱりそういうのっているんだよね? あげはさん何も言わないから完全に手ぶらで来た。 どこか店に入る時間くらいはあったと思うのに。 機嫌悪かったしね。 今度あげはさんに頼もう。 「それで?赤ちゃんは?」 「そこの保育器に入ってる子だよ」 「女の子ですね~、カワイイです~」 初めて見る産まれたての赤ちゃんに、自分の子でもないのに感動した。 それこそ産まれたてなんて、簡単に見れるものじゃないし。 生命の神秘ってヤツ? これがもし自分の子供とかだったら、きっと泣いてしまうかもしれない。 それほどまでに、なんかこう、グッとキタ。 「よかったね、欲しがってたもんね、女の子」 「うん、ありがとー」 「あげはさん、僕も赤ちゃん欲しくなってきました」 ヤバい、感激のあまりぜったい言わないだろうことを口走ってる。 「はぁ?あたし?」 「もちろんです」 っていうか、他に誰がいるというのだろうか。 めっちゃ驚いているけれど。
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