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目の前で正座をする、白いタキシード姿のげーのーじん五十嵐雷。
なんか、衣装のまま慌てて帰って来た感じっぽい。
ただなぜ正座しているのか、あたしには全然わからなくてマンガを開いたまま首を傾げる。
「今日は帰らない予定じゃ?」
確か、今朝そんなこと言ってた気がするんだけど。
アレ?聞き間違ったのかな?
「うん、明日の予定、なんだけど…」
「何?歯切れ悪いわね」
「ごめんなさい」
え、なんで謝られる?
何かあったのかしら。
土下座でもする勢い、ってことはまた写真でも撮られた?
イヤ、でも、最近は一緒に出かけてないけど。
「家がバレました」
「……──っはぁ?」
「まぁ、正確にはマンションがバレたんだけど」
「同じことだ」
えーと?
ってことは、また前みたいな感じで今度はマンション前に取材陣が押し寄せる?
「同居してることもバレたみたいで、コレ撮られた写真が載ってる週刊紙デス」
差し出してきたその本を受け取って見てみれば、まぁなんと後ろ姿の雷と…あたし。
コレは…七夕の病院に行った時のヤツか。
んー?でもコレ、結構前じゃない?
それでも使われるんだ。
「実はコレ、もう出ちゃってて…あげはさんにも他のヒトにも迷惑かけると思うんだ」
「あぁ、だから電話じゃなくて帰って来たの」
後ろ姿だから今回はモザイクもかかってなくて、外に出ればすぐにあたしだってわかる。
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