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ホントはこのお見合い、会うだけ会って断るつもりだった。
写真の中の北原あげはは少し幼くて、ただ軽いだけのような女に見えて。
まぁ、軽いとか俺に言われたくないだろうけど。
でも実際、本人を前にして話してみると、違うってわかった。
軽そうに見えて、実はそうじゃないんですってパターン。
遊び慣れ、は、してないな、ぜったい。
そんなことを思いつつチラッと彼女を見ると、帯を緩めてラクになったのか少し顔色がよくなって眠る姿。
正直言って、黙っていると誰の目にも触れさせたくないキレイさ。
まだそんなに話してないからわからないけど、たぶんちょっと残念なヒト。
ソレがいろいろと半減させてるっぽい、たぶんだけど。
外に出る前に思った、このヒトをオトすと気持ちいいんだろうなって。
ほとんど話せていないからわからないけれど、マンガ好きのヒトはどうすればオチるんだろう。
自分の経験を生かせることができそうにないヒトは初めてだ。
「雷ったら、そんなに見つめてもまだ起きないわよ」
「え、イヤ、見つめてたわけじゃ…」
母親から指摘を受けて、初めてそこでずっと見ていたことに気づく。
言われるほど見ていたなんて。
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