living.14

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「…あたしはさ、知っての通りこんなめんどくさがりな性格なわけよ」 「うん、知ってる」 話し始めるけど、電気を未だに点けようとはせず。 なぜ点けないのか謎のまま、ポンポンとソファーを叩くからそこに座るけど。 なんだろ、このよくわからない雰囲気。 「自分で自分のことわかってるから、基本的に誰かと一緒にいたくないわけ」 真っ直ぐ見てくる目は揺れている。 答えをどう切り出すか悩んでるようにも思えて。 こんなあげはさんは初めて見た。 「月海と七夕は昔から知ってるから気にもしてない」 今は何を言っていいのかわからないから、黙ってあげはさんの話を聞く。 それに、何か返事を待ってる感じでもないから。 「雷がね、ニ人みたいに接してくれるのはありがたかった。あたしの趣味に対しても何も言わないし」 「そういえば、初対面で失礼なこと言ったね、俺」 今じゃ、ヒマな時は俺も読んでるからなぁ。 あげはさんセレクトのマンガおもしろいし。 「アレは普通の反応だと思うよ」 苦笑いを浮かべてるけど、どこか寂しそうで抱きしめたくなる。 きっと、この趣味を今までいろいろ言われてきたことがあるんだろう。 「……抱きしめていい?」 「却下」 行動に移す前に聞いたのに断られるから、聞かずに抱きしめればよかった。 今日で最後、だと思うから。 「そんなことより…あたしはこの半年、雷のことを全然見てこなかった」 もうクセになっているあげはさんの髪に触れること。 だけど、ゆっくりとその手を下ろされる。 …もっと触れていたかったのに、その柔らかい髪に。
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