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「実家よりも自分のスキにできるしさせてくれるから、ラク…だったんだよね」
半年、という約束だったし、あげはさんにとやかく言えるような生活、俺も送ってなかったし。
自由にしてくれていて、俺も助かってた。
「でもね、甘えてただけなんだよ」
「イヤ、ソレは俺の方だから」
あげはさんが甘えてたって言うなら、俺はソレ以上。
よく怒ってるし文句なんてめちゃくちゃ言ってるけど、こっちのことを思ってのことだってわかってる。
ソレに、あげはさんに甘えられた記憶は、ない。
俺に甘えてきてないと思う。
「……ねぇ?あたしのことスキだって言ってたけど、それは顔が…じゃないの?」
「そんなことないよ、俺がスキなあげはさんはちゃんと自分を持ってるところ」
今まで、どれだけのヒトに告白されたかなんて聞かないけれど。
きっとまず初めに容姿のことを言われてきたんだろう。
黙っていれば美人だし、お近づきになりたいヤツなんて、いっぱいいたに違いない。
「あげはさんのふとした時の仕草とか、マンガなしじゃ生きていけないとことか、全部ひっくるめてスキだよ」
面と向かって言うのは恥ずかしいけれど、でも今言わないと二度と言えない気がする。
先延ばしにしてたら、会えなくなるような…そんな気がして。
相手、あげはさんだし。
接点がなくなれば、会うことも拒否られそう。
電気点いてなくてよかった。
ぜったい顔が赤くなってる。
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