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北原母にニーッコリと笑顔で見られていることに気づく。
「……あの、何か?」
何か言いたそうな含んだ笑顔。
耐え兼ねて聞くと、よくぞ聞いてくれました、とでも言いそうな顔になる。
イヤ、聞きたかったわけじゃないんだけど。
「あげはとどんな話したか知らないけど、この話に破談なんてないから」
──はっ?
何?このヒト、何が言いたいの?
「今日から一緒に住んでね、雷」
母さんまで何言ってんの?
驚きすぎて目が点。
イヤイヤ、声も出ないよ。
確かに俺は北原あげはに半年の間にどっちが先にスキになるか賭けは持ちかけた。
でもソレは、一緒に住んで、とかの話じゃなくて。
デートみたく回を重ねてって思ってたんだけど。
一緒に住んでさ、手を出さないって言い切れるハズがない。
俺だって健全な男なんだからさ。
「雷?聞いてる?家はもう手配したからね」
「………え?ちょっと……借りてた部屋は?」
「そんなものすぐに解約したけど?雷の借りてた部屋、独り暮らし用じゃない」
イヤ、そうだけど、そうじゃなくて!
そんな簡単にできるものじゃないと思うんだけど!
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