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「お疲れ様、また明日もよろしくね」
…ホントにもう…
いつ用意したの、コレ。
伝えたの朝なんだけどな。
渋々受け取ったソレを持って帰るけど。
もうすでにいろんなことを後悔し始めていて。
嬉しいはずの言葉や贈り物にため息が出る。
きっと、ホントにスキで結婚したのなら、嬉しくて笑顔になるんだろうけど。
まだ、祝われたく、ない。
そうもいかないのが、現実。
家に帰って何に疲れているのかわからないままにソファーに座ってため息をつくと、見計らったかのようにケータイが鳴る。
「…もしもし?」
『あんた、なんで結婚したこと言わないの』
相手は月海で、挨拶もナシにソレを言われて。
聞かれないように深いため息をつく。
「なんで知ってんの」
『夕方のニュースで取り上げられてたからよ』
あぁ…じゃあ、お母さんも知ったかもしんない。
あと、七夕も。
めんどくさいな…
こう思うことがダメなのかもしれない。
「……ねぇ、あたしまだ実感ないんだけど」
『そりゃそうでしょ。あんた達、初めから一緒にいるんだし』
そういうことじゃないと思うんだけど。
ホントにスキで結婚したっていうなら、実感も沸くんだと思う。
だけど…
『刺激的なモノが足りないんじゃない?』
だけど、そうじゃないから。
こんなこと、月海にだって言えないよ。
「え、そんなのはいらない」
『あー、じゃあ、気持ち的な問題なんだ』
「……気持ち?」
『今さ、いろいろとめんどくさくて投げやりになってない?』
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