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何?このヒト達って常識って言葉がない?
ってか、通じない?
「……あら、あげはとは一緒に暮らせないって言うの?」
「へ?イエ……そんなことは……」
ムリだと思いますけど。
普通に考えて、全く知らないヒトと暮らすなんてムリな話。
そもそも、性格合わないと思う。
一緒に生活とか、彼女も嫌がるんじゃない?
今すぐ起きて否定してくれないかな。
なんて思っても、都合よく起きてはくれず。
母ニ人のある意味、暴走のような行為のおかげで、あれよあれよという間に旅館をあとにすることになってしまった。
流されることはキライじゃないけど、さすがにこれは…どうかと思う。
ニ人の新居にと構えられたのは、七階建てマンションの五階角部屋。
物件的にはいいと思う。
外も中もキレイだし、部屋が一、ニ、三……?と、リビングにキッチン……
広くない?
家賃、俺の収入で払える金額?
………や、ここは折半にしよう。
何もない部屋に、まだ起きない北原あげはを下ろし、ベランダに出て途方に暮れてみる。
母ニ人はここまで案内したあと、そそくさと楽しそうに帰って行った。
荷物は業者に頼んだとか、起きた時に説明よろしくとか、俺が返事をする間もなく。
なんだろう……そうだ、嵐が来て去ってった、みたいな?
…誰がこの部屋の契約を?
いろんな疑問が浮かんできたけど、考えるのがめんどくさくなって中に入った。
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