living.2

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床に寝転がらされている北原あげは。 …を、見ているとだんだんハラが立ってきたんだけど。 蹴り起こしていいだろうか? ……イヤ、そんなことしちゃダメだって。 とりあえず、一人でこの状況には耐えられないから、揺すって起こすことにしよう。 「あの、起きて下さい」 「………んぁ?」 意外と起きるの早っ。 もっとなんか、渋ってでも起きそうにない感じなのに。 「わかりますか?」 「ん~……誰だっけ?」 「見合い相手の顔くらい覚えてて下さい」 「…あ~、お見合いする意味がわからない美形」 何ソレ、どういう覚え方? しかも、そういうあなたは美人の部類ですからね? 本人に自覚は全くなさそうだけど。 起き上がった彼女は周りを見回しキョトンと首を傾げる。 ホラ、その仕草、ぜったい天然なんだ。 男の前でそんなことしちゃダメだってわかってない。 「新居、だそうですよ」 「誰の?」 「あなたと僕の」 ため息混じりに答えれば、キレてますみたいな笑顔。 アレだ、状況把握をするのは早いみたいだ、寝起きなのに。 ソレは置いといて、怖いから、その笑顔。 「ぜったいお母さんでしょ、言い出したの」 「どうでしょう?部屋に戻った時にはもうすでに話は決まってましたから」 「きっとそうよ、そうに違いない。じゃ、あたし帰る」 立ち上がり何かを探す仕草。 キョロキョロと辺りを見回し小首を傾げている。 狙ってやってるとしたら悪魔、まぁこのヒト……さっきも思ったけど天然なんだと思う。
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