living.2

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こっちはいろいろと拍子抜け。 だって、もっと否定してくれると思ったから。 そしたら、まだ早いとかなんとか言って、新居からオサラバできると思ったのに。 「スキなように呼んで下さい」 「そ?じゃあ雷、あたし無職だけど、ここの家賃どうしようね?」 「………はっ?」 何ソレ?そんなこと聞いてない。 その歳で仕事してないってどういうこと? 「ごめんね?仕事は探すけど、すぐには見つかんないかも」 申し訳なさそうに小さく首を傾げ、顔の前で両手を合わせる。 無意識にするその仕草。 ドキッとなったのは、きっと、気のせい。 「あ…イヤ、なんとかなると思います。僕が生活費出しますから、家のことを全部任せていいですか?」 「いいけど……ん~、やっぱ探す。あたし、マンガないと生きていけないから、その分まで雷に出してもらうわけにはいかない」 そういえばこのヒト、マンガ好きだった。 買うな、とか言ったらキレそう。 「……じゃあ、この生活に慣れて余裕ができたら、追々探して下さい」 「当分お世話かけます。それから~っと、立ったままだった、雷も座って」 何もない部屋でニ人、何をやってるんだろうとふと現実に戻る。 これから始まるだろう新生活、ワクワクもドキドキもしない。 新居なのに、自分の家じゃない感覚。
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