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暑い、暑すぎる夏。
こんな暑い日の午後。
何が楽しくて着物なんて着てなきゃいけないのでしょ。
…イヤ、お見合いなんだけどね。
お見合いには着物、って誰が決めたんだろ…
すっごい暑い。
今すぐ脱ぎたい。
しかも、帯がキツい。
着付けてくれたヒト、なんかあたしに恨みでもあるの?
……早く終わらせて帰りたい……
こぉんなゴーカな旅館、あたしには場違いにしか思えませんが。
先方はお金持ちなのかしらね?
…ん~…写真も何も見てないから、全く情報がないわ。
二歩先を歩くお母さんもそんなこと言ってなかった気がするし。
というか、写真とかってあった?
「…さ、あげは、今度こそ席をぶち壊さないようにしてね」
「……ふぁ~い」
実は、お見合い四回目。
今まで三回やったけど、なんて言うの?
偏見とかじゃないけど、小太りなオトコとかハゲたオトコとか人並み以下のオトコとか、ドアを開けた瞬間に即行帰らせてもらったよ。
あたしにだってタイプって言うものがあるんだからね!
何をどう選んできたかしんないけどさ。
お母さんぜったい収入で決めてる。
だってあたし、二年くらい前に仕事辞めて、家事手伝いしかしてないから。
仕事辞めてからなんだよね、お母さんが見合い話持ってくるようになったのって。
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