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「ルール」
「ルール?」
「そ。でもめんどくさいからルールなんて作んない。だけど一つだけ」
まぁ確かに、決めたところで?たぶん忘れるだろうし。
「半年経ってお互いなんとも思ってなかったら、お互いここを出て行く」
あぁ、覚えてたんだ、俺が言った賭けのこと。
倒れる寸前のことだったし、記憶にはないと思ってたのに。
「わかりました。半年であなたをオトしますよ」
……あ、本音言っちゃった。
慌てて口を押さえれば、キョトンとしたあとケラケラと笑う。
「オトせるものならオトしてみなさい。あたしは半年では雷をスキにならないに賭ける。賭けるものはあたし自身」
勝つ自信があるのか、ニッと不敵な笑みを浮かべ自分自身を差し出した。
おもしろい、もらってやる。
「では僕も、僕自身を賭けましょう」
利害一致、なのかなんなのかわからないけど、ガッチリと握手を交わした、なぜか。
勝たせてもらうよ、この勝負。
半年後が楽しみだ。
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