living.3

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「今度は雷くんと来てね」 別に見送らなくてもいいのに玄関まで来るお母さん。 目的は先ほどのお言葉。 「じゃ、またマンガ取りに来る」 とりあえずスルーして家を出た。 真夏の陽射しがハラ立つほど照りつけてる。 しかも、こんな大荷物抱えてる時に限ってケータイ鳴るし! もう!家出て何分も経ってないって! 「何よ、月海じゃない」 画面に表示されてる親友の名前に悪態をつく。 月海は今現在あたしが住んでる高級マンションを手配してくれた、スバラシキ親友様。 出るのイヤだなぁと思いつつ鳴り止むのを待ってみるけど、取らない限りいつまでも鳴らし続ける。 という、念、みたいなものが… はぁ…… 「何か」 『あら、ご機嫌芳しくないようで?』 不機嫌極まりない声で出れば、月海はめちゃくちゃ楽しそうに話してくる。 「スバラシイお部屋を紹介していただいたのに、機嫌が芳しくないだなんて。あったり前過ぎてため息出てしまったわ」 『まぁ、いいじゃない。これでやっとあげはも落ちつけるんだから』 …それをバツイチの月海に言われたくない。 でもコレ、言ったら言ったで機嫌がすこぶる悪くなるし、宥めるのもめんどくさいから言わないけど。
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