living.3

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「ちょっと待って、お見合いはしたけどまだ結婚の承諾はしてない」 賭けの承諾はしたけど。 『はぁ?一緒に住んでるのに?ってか、早く帰って来い、いつまでもエントランスで待たせるな』 イヤ、あんたがそこにいるって知らないし。 来るなら事前に連絡を寄こせ。 そもそも来るな。 「……魂胆はわかってるわよ。見合い相手が見たいだけでしょ」 『ソレ以外何が?』 ウソでもいいから否定しなさいよ。 いっさい期待はしてなかったけど。 「……月海だけ?」 『他に誰が?』 「あんた子供…あぁ、学校か。七夕は一緒じゃないわけ?」 『七夕?呼ぶなら連絡するけど?』 だいたい三人で集まることが多いんだけど、今日はいないらしい。 「イヤ、別に呼ばなくていいけど。どうせ、七夕には聞かれたくない愚痴でしょ?」 『よくおわかりで』 わからいでか。 七夕抜きの日は必ずと言っていいほど、七夕のダンナ…自分の兄の悪口ばっかじゃない。 聞く方の身にもなれ。 「……まぁ、あと五分待ちなさい」 『三分で』 「ムリ」 無理難題を押しつける親友に、一言言い切ってそのまま電話を切った。 実家からマンションまでは近くて、徒歩約十分というところ。 電話しながら歩いてたけど、肉眼で確認できるマンションは一向に近づいてる気がしない。 片手で荷物持ってたから右手が限界にきてる。
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