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「とりあえず、中入ろ」
この両手に抱えたマンガを早く降ろしたい。
スキだけど、スキなんだけど重いんだよ。
こんなにいっぱいにするんじゃなかった。
雷なんて真摯じゃないわ。
持てとか言わないけど、せめてカギを開けるとかしてほしい。
オートロックを解除するのに荷物全部降ろしてカギ開けて、また荷物持って……
ムッカつく!
部屋の前まで来たけど、もう月海にカギを渡した。
マンガ降ろすのめんどくさい。
「おー、段ボールばっか」
入って早々、変に感心してる月海の声。
「仕方ないでしょう。雷のモノなんて勝手に開けれないし、どの部屋使うかも決まってないし」
「僕はどこでもいいですし、勝手に開けていただいてよかったんですけど」
「そういうわけにいくか」
リビングに入ってマンガを置き、月海は一応お客様なのでお茶の用意。
ん~、雷もいるかな?
とりあえず人数分のお茶を淹れて、リビングのローテーブルの上に置く。
このローテーブル、あたしが昔から使ってるヤツ。
実家の部屋ではちょうどよかったんだけど、リビングで使うには小さすぎる。
雷も持ってないみたいだし、買うしかないかな。
「あ、そうだった、こっち水谷月海ね」
「あんた、こっちって失礼じゃない。どうも、水谷月海、バツイチ子持ちの不動産勤務です」
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