living.3

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「とりあえず、中入ろ」 この両手に抱えたマンガを早く降ろしたい。 スキだけど、スキなんだけど重いんだよ。 こんなにいっぱいにするんじゃなかった。 雷なんて真摯じゃないわ。 持てとか言わないけど、せめてカギを開けるとかしてほしい。 オートロックを解除するのに荷物全部降ろしてカギ開けて、また荷物持って…… ムッカつく! 部屋の前まで来たけど、もう月海にカギを渡した。 マンガ降ろすのめんどくさい。 「おー、段ボールばっか」 入って早々、変に感心してる月海の声。 「仕方ないでしょう。雷のモノなんて勝手に開けれないし、どの部屋使うかも決まってないし」 「僕はどこでもいいですし、勝手に開けていただいてよかったんですけど」 「そういうわけにいくか」 リビングに入ってマンガを置き、月海は一応お客様なのでお茶の用意。 ん~、雷もいるかな? とりあえず人数分のお茶を淹れて、リビングのローテーブルの上に置く。 このローテーブル、あたしが昔から使ってるヤツ。 実家の部屋ではちょうどよかったんだけど、リビングで使うには小さすぎる。 雷も持ってないみたいだし、買うしかないかな。 「あ、そうだった、こっち水谷月海ね」 「あんた、こっちって失礼じゃない。どうも、水谷月海、バツイチ子持ちの不動産勤務です」
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