living.3

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自己紹介、忘れてたわけじゃないよ? エントランスよりは、お茶でも飲みながら座って話す方がいいと思って。 「五十嵐雷です、初めまして…ではないですね。ここに母達と来た時にいらっしゃった方、ですよね」 「あん時いた?あぁ、あげはを姫抱きしてたヒト。ごめんね~、あげはの母と話してて気づかなかった」 「イエ、いいですよ」 ニッコリと外仕様の笑顔を浮かべる雷。 それはまるで線引きしてるみたいに見える。 あたしに対する態度も、きっと外仕様なんだ。 たぶん、半年一緒にいたって、本当の雷を見せてはくれないんだろう。 別に、見せてほしいわけじゃないけども。 「仕事は何してんの?」 月海はテレビはよく見るけど、基本的に見れたらいいのであって、げーのーじんとかに興味はない。 あぁ、そういえば七夕はスキなげーのーじんはいないけど、あのヒトがどうとかってよく言ってるな。 「仕事、ですか?テレビに出る仕事してます」 「……ふーん、げーのーじんなんだ。身近にいるもんなんだ~ね」 反応がほぼあたしと一緒。 ミーハーじゃないし、テレビの中のヒトに会いたいとか思わないし。 あたしも月海も。 「あげはさんもそうですけど、興味ない感じですね」 あまりにも月海の反応が薄すぎて苦笑いを浮かべてる。 さっきのあたしの反応も、雷にとっては想定外だったに違いない。
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