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自己紹介、忘れてたわけじゃないよ?
エントランスよりは、お茶でも飲みながら座って話す方がいいと思って。
「五十嵐雷です、初めまして…ではないですね。ここに母達と来た時にいらっしゃった方、ですよね」
「あん時いた?あぁ、あげはを姫抱きしてたヒト。ごめんね~、あげはの母と話してて気づかなかった」
「イエ、いいですよ」
ニッコリと外仕様の笑顔を浮かべる雷。
それはまるで線引きしてるみたいに見える。
あたしに対する態度も、きっと外仕様なんだ。
たぶん、半年一緒にいたって、本当の雷を見せてはくれないんだろう。
別に、見せてほしいわけじゃないけども。
「仕事は何してんの?」
月海はテレビはよく見るけど、基本的に見れたらいいのであって、げーのーじんとかに興味はない。
あぁ、そういえば七夕はスキなげーのーじんはいないけど、あのヒトがどうとかってよく言ってるな。
「仕事、ですか?テレビに出る仕事してます」
「……ふーん、げーのーじんなんだ。身近にいるもんなんだ~ね」
反応がほぼあたしと一緒。
ミーハーじゃないし、テレビの中のヒトに会いたいとか思わないし。
あたしも月海も。
「あげはさんもそうですけど、興味ない感じですね」
あまりにも月海の反応が薄すぎて苦笑いを浮かべてる。
さっきのあたしの反応も、雷にとっては想定外だったに違いない。
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