living.4

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「大丈夫です。堂々としてれば意外と気づかれないものですから」 「へ~」 聞いてきといて、やっぱり興味なしかい。 ムカつくなぁ。 これでもかなり有名なのに。 「大変だ」 ……今度は何? 「重要なこと思い出したんだけど」 「なんですか?」 なぜか深刻な表情を見せてくるから、真剣に聞いてみたのに…… 「キライなモノ、ある?」 「はぁ?」 そんな質問に間の抜けた声が出た。 イヤ、ビックリだよ。 そんなこと聞かれるとか思わないし。 「だって重要でしょう。あたし、雷の母親でも、ましてや彼女でもない」 「そうですね」 「しかも作るのは今日が初めて。口に合うか合わないかの以前にスキなモノも知らなくて、この先半年は一緒にいるのに作れるわけがない」 ……あぁ、そういうこと。 スキキライがわからないと作れるモノも作れない、か。 「一番キライなのはその手に持ってるモノです」 昔からキライなんだよね、ニンジン。 入ってたら確実に残す。 がんばって食べようとか思わない。 「おいしいのに」 ため息混じりにつぶやき、買うのを諦めるあげはさんは他には?という目を向けてくる。 「あとは~…」 「思い出したら教えて。とりあえずカゴの中のモノは大丈夫、よね?」 考えていたらそんなことを言われて中を見る。 「あ~、大丈夫です」 基本的に野菜はキライだけど、食べられないほどではない。 ニンジン以外は。
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