living.4

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「そ」 ニッコリと笑うとそのままレジへと。 俺、生活費…まだ渡してなかった… 「あげはさん、コレ使ってください」 「…どうも」 受け取るけど、なんか渋々と言った感じ? なんで? 当たり前のことをしたまでなんだけど。 順番待ちをしている間に聞いても、答えてくれなかった。 追究してくるな的な雰囲気を出してくるからそれ以上聞けず。 一緒に生活をしていけば、そういうところわかってくるのだろうか? 「持ちます」 訝しげな表情で見られて、今度はなんなんだ? でもまた何も言わなくて、ただため息をつかれただけ。 女のヒトの喜ぶことをしただけなのに、このヒトやっぱりわからない。 どうやらあげはさんの機嫌を損ねたらしく、帰ってきても無言のまま。 彼女が機嫌が悪いなら、何かいろいろできるだろうけど。 でも彼女じゃないし、どうしていいかわからない。 なんか……耐えられない空気。 「……あげはさん?」 チラッとこっちを見たあげはさんのその手には…… ──なんで!? さっき買ってないのに! 「お願いですから怒ってる理由教えてくださいよ~」 必死になって嘆く俺に、極上の笑みを浮かべる。 ただこのヒトって美人だから、ソレがすっごい怖い。 「ニ…ニンジン入れてもいいですから~」 俺、誰だよ。 今までに誰かのご機嫌を取ったことなんかない。 彼女がいたことはもちろんあるけど、ここまで機嫌が悪くなるなんてことはなくて。 このヒトといると自分が自分じゃなくなる気がする。
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