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「じゃがいも切りたいんだけど」
「……どうぞ」
カレー作ってもらってたんだ。
とりあえず邪魔にならないように後ろから見ていればなかなか手際がいい。
あぁ、そうか、あげはさんと元カノとの違いがわかった。
今までの元カノは、ソコもカワイイって見せてたし言って欲しかったんだと思う。
「ねぇ、ヒマなの?」
だけどあげはさんはそんなところを別に見せてくることもなく。
というか、見せる必要なんてないか。
「なんで?」
「すっごい視線を感じる」
それに、俺に見せたところでなんの得にもならないだろうし。
「めっちゃ凝視してるから」
言えば、返事はため息のみ。
見られたくないわけではないらしい。
きっとイヤなことはイヤだと言う性格だと思う。
だから、何も言わないからそのまま、作業を進める背中を眺めていた。
「ヒマならさぁ、荷解きすれば?寝る場所ないよ?」
あの、今、分量計って水入れてなくない?
「……あぁ、うん、部屋どこ使う?」
大丈夫だろうかと思いつつ、布団で寝れないのはイヤだからソレに従う。
「あたしが決めていいの?」
「俺、たぶん毎日は帰って来れないから…」
「あぁ、お仕事」
続けようとしたらさえぎられ、なんだか楽しそうにソレを言われるけれど…
なんか、そんな楽しそうに言われるとハラ立つ。
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