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確かにそう、そうなんだけど。
もうちょっと寂しがるとか……とかって前に、まだ一緒に過ごす時間は一日にも満たない…か。
「夜中に帰って来ることもある?」
「ん~、朝方とかもある」
「じゃあ、玄関に近い方がよくない?」
リビングに積み上げられた荷物を眺めるも、どうもやる気が出ない。
俺の荷物、結構あったんだ。
「なんで?」
「だってその方が早くお布団に行けるでしょ?」
「あれ?寝室別?」
隣に立ったあげはさんにそう聞けば、めちゃくちゃイヤっそうな目。
赤の他人、だしね?
「カレーは?」
「煮込み中」
二十分くらいと言うけれど、なんだろう…あげはさんの料理って不安…
「じゃあ、こっちの部屋あたしが使うね」
言っているわりには、もうすでに半分くらいの荷物が入ってますよ?
まぁ、部屋なんて寝れればどこでもいいんだけど。
あの日からここに住んでいるあげはさんには、寝る場所も必要だっただろう。
リビングで寝るわけにはいかなかっただろうし。
自分の荷物を入れるその部屋には当たり前に何もない。
窓がないからか廊下側の壁が半分摺りガラス。
そういえば、もう一つ部屋があるけど…
初めに見た時、確か和室だった。
なんて、部屋をゆっくり見ている場合じゃない。
つぐみさん、だっけ?の愚痴もそうだけど、実は昨日からほとんど寝てないからだいぶ思考回路が鈍ってきてる。
早く荷解きしなければ。
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