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「おはよう」
「…おはようございます…」
「カレー、あっためる?」
起きて来た雷に嫌みったらしく言ってみた。
だって、昨日できあがって部屋に呼びに行ったら、床の上で寝てたんだもん。
起きて来るの待ったんだけど、一向に起きて来なかった。
まぁ、人前に出るお仕事だから疲れてたんだろうけど。
で、起きて来たのはお昼過ぎ。
結構寝てたと思う、お風呂も入らずに。
「食べる…」
「おはようございます」
「……え?」
寝ぼけた頭をフル回転させているだろう雷は、そこにいるハズのないヒトを凝視している。
「寺越さんも食べますか?」
「はい、いただきます」
ニコニコと返事をしてくる寺越さん。
このヒトは雷のマネージャーだそう。
一時間ほど前に来て、起きて来ない雷をニ人で待ってた。
キッチンから見ると、何やら小声で話してる。
まぁ、テレビのお仕事の話なんて、他人に聞かれたらダメなんだろうけど。
でもそれは、あたしのいないところでしてほしい。
だって、めちゃくちゃ気になる。
いっさい興味はないけれど。
「できましたよ~」
ほどなくしてできたカレーを盛りつけテーブルに置けば、ニ人して目を輝かせ椅子に座った。
雷は昨日食べなかったからわかるけど、なんで寺越さんまで目を輝かせるの?
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