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洗い終わってそんなことを考えてると、ピンポーンと玄関のチャイムの鳴る音。
はい?
雷は今出て行ったけど、わざわざチャイムを鳴らすことはしないと思う。
カギ持ってるし。
……ってことは、誰?
「はい、どな……」
『あげはちゃ~ん』
さえぎるな、この天然め。
確認して出ればよかった…
「……カギ開けたから」
なぜ、なぜここに来る。
誰がここを教えた…月海か?ぜったい月海だな。
いつか来るとは思ってたよ。
だけど、こんなに早いなんて思わない。
まぁ、来たものは仕方ない、か。
雷が仕事行ってくれてたのは好都合だったかも。
……や、昨日ね月海で体力消耗させちゃったハズだし。
見ればすぐわかるだろう、テレビ大好きだし七夕は。
はぁ……っと無意識にため息が出る。
「イラッシャイマセ」
そろそろだろうと思って玄関を開ければ、案の定チャイムを押す寸前。
「あげはちゃん、機嫌悪い?」
「イヤ、眠いだけ」
「ならよかった」
何がだよ。
「お邪魔します」
「まだ散らかってるからね」
「あげはちゃんの部屋はどこ?」
「ヒトの話を聞け」
ほんっと、昔から変わらない。
性格も容姿も何もかも。
「あ、これ引っ越し祝い~」
この引っ越しを祝われたくなんかないって。
真実なんか言えないから仕方ないのかもだけど!
言ってもいいけど、まぁ…いつか。
「……どうも」
リビングにて受け取ったソレは、なんだか重たいですね?
食器、とかそんな感じ。
たぶん、あたしの話は月海から聞いてるんだろう。
簡単にお見合い相手と同居、とかなんとか。
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