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「それで?今日は何?」
雷のソファーに座らせここに来た用件をさっさと聞く。
や、だって、早く聞かないとズルズルと流されてしまうから。
「あげはちゃん、仕事しない?」
「突拍子もないな」
「あたしのね、イトコが経営してる雑貨屋さんなんだけど」
七夕のイトコ?
雑貨屋なんて行かないからなぁ。
「小さいお店だからイトコとあたしだけでやってたんだけどね」
「ニ人?」
「そうなの。けどね、今回あたし悪阻がひどくてここのところ仕事全然できなくて」
あぁ、そういえば昨日嘆いていたな、月海が。
ほとんど聞いてなかったけど。
「七夕の働いてたとこってアソコでしょ?」
買いに行ったことはないけど場所はなんとなくわかる。
だって雑貨なんてショッピングモールで揃うもの。
「そう、ソコ」
「あ、なんか飲む?」
「大丈夫、持って来たから」
まぁ、今この家に七夕の飲めるモノなんてないけど。
妊娠って大変ね。
「どうかな、前とは全然職種が違うけど、やってみる気ない?」
そうだね、畑違いだ。
前は……ニ年前までは会社勤め。
接客はしたことがない。
「そんなに難しくも忙しくもないよ」
「んー……やってみようかな。そろそろ何かしなきゃいけないとは思ってたしね」
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