living.5

8/11

1065人が本棚に入れています
本棚に追加
/165ページ
「ホントー?じゃあ、さっそく周くんに連絡する」 あまね、くん? え、男?男のヒト? 「七夕、ちょっ、ま……」 制止は完全に遅くメール送信画面がチラッと見える。 「え?どしたの?」 「……や、なんでもない」 どうせ七夕に何言ったって意味ないし。 この話を断って、果たしてすぐに仕事が見つかるか。 イヤ、きっとすぐになんて見つからない。 男のヒトとニ人だけってのはちょっとアレだけど、まぁなんとかなるでしょう。 「あ、明日から来てって」 「明日!?」 いくらなんでも明日からって早過ぎじゃない? 忙しくないってさっき言ってたよね? 「そんなに忙しくないから大丈夫だよ」 思ったことが顔に出てたんだろう。 ニコニコと楽しそうに笑いながらそう言うけど。 あんた、ホントに悪阻あるの? っていうくらい体調良さそうですよ? 悪阻がどんなものかなんて、妊娠したことないあたしにはわかんないけど。 月海がすごかったなって記憶が。 「ねぇねぇ、あげはちゃん、ダンナ様は?」 その質問、今さらする? 「イヤ、ダンナじゃないし」 とりあえず否定させてもらう。 どこまで話を聞いてるのか知らないけど。 「えぇ?違うの?」 説明、やっぱりめんどくさいな…… 「……あぁ、うん、まぁいいや。ヤツはお仕事ですよ」
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1065人が本棚に入れています
本棚に追加