living.6

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「仕事だったことは把握してる。連絡できなかった言い訳を聞きましょうか?」 仁王立ちも変わらない、醸し出す機嫌の悪さも変わらない。 なのに、俺…仕事のしすぎかな? 今のこの状況がなぜか心が落ち着く。 過ごした時間なんか関係ないって、そう思わせてくれる、ヒト。 作らなくていいから、かな? 「すみません、書いてもらった紙がどっかいきました」 「コレ?」 目の前にズイッと出されたソレは、あげはさんの連絡先が書かれた紙。 どこに置いてたかすら忘れていたモノ。 「こちら、テーブルの上にそのままありましたが」 放された紙がヒラヒラと落ちてくる。 ソレを取るべきなのか考えている間に音も立てず床の上へ。 「普通、忘れる?」 「すみません」 「今すぐ登録してあたしにワン切り」 言われるままにポケットから取り出して、床の上にある番号を登録する。 ソレをそのままかければ、リビングの方から音楽が聞こえて。 あ、一回鳴らすだけでよかった。 「次からは必ずかけてくるように」 「はい」 あー、ホント何やってんだろ。 赤の他人で、ホントなら一緒になんか住んでない。 別に俺の連絡先を教えなくてもよかった。 だけどやっぱり、あげはさんを見る度に思う。 この先、まだ一緒にいてみたい、と。
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