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「何、真剣に考えてんの。バカなこと言ってないで行くわよ」
……楽しそうデスネ、俺で遊んで……
「……あげはさん」
隣に立ったその腕を引っ張って至近距離。
「何?」
やっぱり動揺も何もしないあげはさんは、急な俺のこんな行動にも笑ってるだけ。
何もしない、できないって思ってるんだろうか。
このほんの数センチの距離をすぐにゼロにできるのに。
「……いつでも俺に襲われると思ってて」
ソレができないのは俺のせいじゃなくて、無防備すぎるこのヒトのせい、きっと。
誰かのせいにしてるとか、そんなわけじゃなくて。
「わかった、と納得しておきましょう」
「……ホンキなのに」
腕を放してボソッと言えば、ニッコリと笑顔が返ってくる。
「ソレが通用するのは十代から二十代前半」
「イヤ、年齢関係ないと思う」
そもそも年齢関係あったら、世の中大変なことになるんじゃないかな。
「他人は知らないわよ。あくまであたしに通用するかしないかの話」
「あぁ……」
言われて納得してしまう辺り、このヒトのことちょっとわかってきたかも。
「早く行くよ~」
楽しそうなあげはさんに手を引っ張られ向かうは玄関。
なんのためにリビングに行ったのか謎。
まぁ、荷物は置いておきたかったからいいけど。
ホントは一人でゆっくりするつもりだったのに…まぁいいか、こんな時間も。
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