living.6

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マンションから歩いて十分ほどのあげはさんの実家。 案外近いんだ。 両親がなんの仕事してるかとか聞いたことないけど、なかなか立派な家ですね? 俺の実家よりデカい気がする。 ここら辺は高級住宅街っぽい。 「ただいま~」 あげはさんが玄関を開けた瞬間、今までになかった緊張が走る。 わからない緊張感が異様に襲ってきて。 今すぐ帰りたくなってきた。 「あら、あげは、おかえり」 「雷も忙しいんだからこれっきりにしてよね」 「まぁまぁ、雷くん、いらっしゃい」 実の娘を押しのけ、腕を引っ張られ家の中へ。 後ろからめんどくさそうなため息が聞こえるけど、その前にこの状況助けてほしい。 助ける気なんかないだろうけど! 「あたし、先に自分の部屋行ってくる」 階段を上がろうとしているあげはさんに助けを求めようとすれば、そんなお言葉。 連れて来といて放置って! リビングに通されたけど、そこには誰もいない。 あー、今日って平日か。 「来てもらったのにお父さんいなくてごめんなさいね」 「イエ、急に来たのは僕なので」 すっごい緊張してたのに。 「コーヒーでいいかしら」 「あ、お構いなく」 早くあげはさん下りて来ないかな。 俺一人じゃ耐えられない。
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