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マンションから歩いて十分ほどのあげはさんの実家。
案外近いんだ。
両親がなんの仕事してるかとか聞いたことないけど、なかなか立派な家ですね?
俺の実家よりデカい気がする。
ここら辺は高級住宅街っぽい。
「ただいま~」
あげはさんが玄関を開けた瞬間、今までになかった緊張が走る。
わからない緊張感が異様に襲ってきて。
今すぐ帰りたくなってきた。
「あら、あげは、おかえり」
「雷も忙しいんだからこれっきりにしてよね」
「まぁまぁ、雷くん、いらっしゃい」
実の娘を押しのけ、腕を引っ張られ家の中へ。
後ろからめんどくさそうなため息が聞こえるけど、その前にこの状況助けてほしい。
助ける気なんかないだろうけど!
「あたし、先に自分の部屋行ってくる」
階段を上がろうとしているあげはさんに助けを求めようとすれば、そんなお言葉。
連れて来といて放置って!
リビングに通されたけど、そこには誰もいない。
あー、今日って平日か。
「来てもらったのにお父さんいなくてごめんなさいね」
「イエ、急に来たのは僕なので」
すっごい緊張してたのに。
「コーヒーでいいかしら」
「あ、お構いなく」
早くあげはさん下りて来ないかな。
俺一人じゃ耐えられない。
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