living.7

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そんなに知らないけど、ここ数日めんどくさいけどテレビを見ててわかった。 そこそこ有名なんじゃない。 テレビで見ない日はないというほどの、チョー売れっ子さんだった。 「…見つかるわよ?」 「五十嵐雷として実家へ行けって言ったヒトの発言?」 そうかもだけど… それはただ単にあたしの機嫌が悪かっただけで。 「大丈夫、バレない」 「何を根拠に……」 ニコニコと言うソレに納得なんかできない。 「この間もバレなかった」 確かにバレなかったけども。 何言ってもついて来るんだろうな。 「……わかった、巻き込まないでね」 「心得ております」 なんだか楽しそうな雷はマンガを元に戻すと、いそいそと自分の部屋に戻っていく。 あ、婚姻届持って行った。 まぁ、あたしには必要ないからいいけど。 自分の部屋に戻ってバッグを持ちリビングに出れば、やっぱり楽しそうにしてる雷の姿があって。 買い物、スキなのかな? 「あげはさん、生活費これくらいで足りる?」 そう言えばまだもらってなかった。 あたしも忘れてたし、雷も忘れてると思ってたけど。 覚えてたんだ。 「たぶんね?」 まだ一ヶ月も経ってないからどれだけいるかわからない。 なので、彼の出してきた金額をそのまま受け取る。 「じゃ、行こう」 なぜか終始笑顔の雷に手を握られ近くのスーパーへ。 さっき実家に行く時は手を繋ぐことを拒否してたのに、何が違うのか今はその手が放れない。
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