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「あ、ねぇ、明日は何時から仕事?」
「ん?明日は久しぶりのオフだけど?」
移動しながら聞けば、キョロキョロと辺りを見回しながら返事をしてくる。
なんだか目が輝いていて楽しそう。
「……明日、あたしいないんだけど」
「一日中?」
「そ、仕事は十時からだし終わったら帰るけど、すぐに出るから」
まぁ、子供じゃないんだし、別にあたしがいなくたってねぇ。
何もできないヒト、ではないはず?
そういえばまともに一緒にいたことないから知らないや。
「なんで?」
「高校のね、同窓会があるの」
「あ、いいなぁ、俺も行きたい」
……は?
そんなこと言うなんて思わないから、驚いて持っていたトマトを落としそうになった。
「あっぶな、トマト落とすとこだった」
ただの同居人の同窓会についてきて何が楽しいのか。
「そんなに驚くこと言った?」
自覚、ないのか。
ホントにビックリしたのに。
「関係ないのに来て楽しいとか思わないし、それに月海もいるから」
月海の名前を出せば引きつる表情。
若干…というか確実にトラウマになってるっぽい。
初対面でアレだったしね。
「たまの休みなんだからゆっくりしてればいいよ」
レジにて支払いをしていれば、なぜかつまらなそうな顔をしている。
周り誰も知らない同窓会になんで来たがるのか。
理解不能。
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