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「ねぇ、聞いてる?」
「……え?あ、うん……」
「とりあえず、バレそうだから先に出てて」
なんか、チラチラ見てくるヒトがいるのよね。
別にバレてもいいんだけど、とばっちりだけはイヤだ。
「わかった」
出口に向かう雷はさっきのあたしの話は全然聞いてなかったようで、何かずっと考え込んでるみたい。
チラチラと見ていたヒトは慌てて買ったモノを袋に詰め込み、その後を追うように出て行く。
そんな様子をのんびり詰めながら見ていた。
これから雷と買い物に来れそうにないなぁ。
案外ニ人で来るの楽しいからスキなんだけど。
っていうか、尾行されて自宅バレるの時間の問題?
ソレだけは勘弁してほしいデス。
外に出ればやっぱりと言うべきか、捉まっちゃってる雷の姿。
う~ん、どうしようか。
今ここで関係者と思われて、この先めんどくさくなるのは何がなんでも避けたい。
少し離れて見ていると雷と目が合った。
一言二言何か話してこっちに来る。
「姉さん、荷物持つよ」
あぁ、姉弟な設定ね。
めちゃくちゃ視線を感じる。
すっごい疑われてる感じだわ。
ムリもない、きっとあたしがあの彼女だったら間違いなく疑うもの。
違和感しかないと思う。
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