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「ありがと。いいの?あの子」
「ファンの子みたいだったけど、あんまり長居するわけにはいかない」
そうよね、これ以上誰かに見つかるとそれこそめんどう。
でもね、疑いの目はずっとこっちを向いてるわけよ。
「ついては来ないと思うよ」
ボソッと言って歩き出す雷はどこか確信してる。
さっき何か言ったに違いない。
きっとそうだ。
「あ~あ、手でも繋いで歩きたかったのに」
「イヤ、ここに来るまで繋いでたじゃない」
「帰りも繋がないとデートではない」
なんか…言い切ったよ。
コレ、買い物じゃなくてデートだったのか?
チラッと後ろを見れば、ついて来ては、いない。
でも、この先このスーパーでニ人で買い物とか、もうムリなのかな。
「他のスーパー遠いんだけどなぁ…」
「スルーされたし」
「……雷のデートって、終始手を繋いでるの?」
文句でも言われそうな雰囲気だったから、めんどくさいけど話を元に戻す。
「うん、そうだね」
でも、あたしにはそんなことよりも、スーパーの方が重要なんだけどな。
「ねぇ、さっき何考えてたの?」
デートだって言うんなら、普段はぜったい聞かないことを聞いてやろう。
きっと恋人同士なら気になる、ハズ…だし?
「さっき?」
「あたしがお会計してる時、何か考え込んでたじゃない」
「……あぁ、明日のこと」
「明日?」
あたしがいないからどう過ごそう、的な?
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