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「うん、せっかくの休みだから寝て過ごそうかと」
「ふ~ん」
考え過ぎたかしらね、ヤダわ、恥ずかしい。
いなくて寂しい、とか…
男だもん、そんなこと思わないわよね。
……イヤ、うん、まぁ、ずっと実家暮らしだったから誰かいないと寂しいなぁ……って思っちゃうわけですよ。
雷はほぼいないから、ほとんど独り暮らしに近いんだし。
あんまり考えないようにしてるけど。
「聞いといて返事素っ気な」
「だってあたし、仕事だし」
「そのあとは同窓会だしね?」
「そうね、たぶん二次会には行かないけど」
そんなお金もないし。
二次会に行けるほど体力残ってないだろうと思う。
「え?一次会だけ?」
「ん~、ぶっちゃけて言うとめんどくさい」
そりゃ、二十代前半の頃は楽しかったし、行ってたけど。
年かしら、体力がついていかないのは。
マンションについてエレベーターのボタンを押しながら苦笑い。
お酒はあんまりスキじゃないから、こういう時少し困る。
周りのテンションについていけないって言うのもあって、年に何回かあるこの同窓会も夏のヒトが一番集まる時しか行かない。
というか、行かなくなった。
「めんど…それでも行くんだ」
「半分は月海の強制かな」
乗り込んだエレベーターの中、出てくるのは深いため息だけ。
正直、ホンキで行きたくない。
なんで同窓会とかあるのかしら。
あたし以外にも、強制でもなければ行きたくないヒトいると思う。
「帰り、迎えに行こうか?」
「え、やめて、月海になんか言われる」
あと恥ずかしいし、げーのーじんっていう自覚を持て。
もともと、恋愛系に関して何か言われるのキライだし。
見つかると何言われるかわかったもんじゃない。
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