living.7

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「え~、俺の夢を実現できると思ったのに」 「夢?」 今の会話のどこに夢の話があったんだろう。 少し口を尖らせエレベーターから出て行く雷はいったい何を考えているのか。 「飲みに行った彼女を店まで迎えに行きたいっていうのが夢」 カギを開けるあたしににっこりと眩しい笑顔。 その笑顔、今いる? さっきは口を尖らせてたのに。 どう返せばいいか何も思い浮かばなくて、無言で彼を見ることしかできなかった。 ドアを開けようとした手も止まってしまうほど。 「そんなに衝撃受けるようなこと言った?」 ぅわ、本人無自覚~。 すっごいキョトンとしてるし。 や、でも普通ならお迎えとか嬉しいものなのかな? イヤ、待て待て、その前にあたし彼女じゃないし、そうするとこの反応おかしくないよね? 「……ま、まぁ、とにかく迎えとかぜったいいらないから」 玄関を入りながらそう言えば、なぜかつまらなそうな表情。 そんな顔されても。 「遅くならないし」 「……あげはさん、俺以外にクドかれたりしないでよね」 あなたにクドかれてるとは思えないんですが。 「あたし女子高」 「え!」 何、その嬉々とした笑顔。 恋愛感情はこれっぽっちもないけど、なんかムカつく。 「ウソに決まってるでしょ」 「喜ばせといて突き落とすの早すぎ」 喜ばせようと思って言ったわけじゃないんですけど。 「……女好き」 ボソッと言えば聞こえたのか苦笑いだけを浮かべて。 否定をいっさいしないってことはそうなのか。
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