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別にどうでもいいけど、ウチの親に見つからないようにしてもらわないと。
「他の女のヒトのとこに行く時は親に見つからないでください」
無表情で言うと今度は引きつった笑み。
「あげはさん以外をオトす気ないんだけど」
「あらそう?じゃあがんばって?」
キッチンで買ったモノを片づけていると背後に気配。
「覚悟、しててよね?」
耳元で囁かれ、後ろから抱きしめられる。
う~ん、ここはやっぱり『きゃっ』とか言うべきだろうか。
……想像しただけで鳥肌立ちそう……
「なんのリアクションもないのはすっごい虚しいんだけど…」
「あー、ソレもめんどくさいなぁ、と」
言えば離れて、でも至近距離。
ただ、これ以上の距離は縮まらない。
恥ずかしげもなくよくできるなぁ。
…あぁ、このヒトげーのーじんでしたね。
役者さんだもん、これくらいできなきゃダメだろう。
このヒトのホンキなんてきっと一生わからないんだろうな。
わからなくてもいい。
ずっと一緒に暮らしていくわけじゃないから。
「ヒマなら洗濯物取り込んで」
「……はい」
今のままでいい、まだこの生活を壊したくないから。
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